福山市よ、情報公開度№1を目指せ

福山市よ、情報公開度№1を目指せ
先月発表された、全国35中核市の情報公開度調査の結果で、福山市は議会の情報公開度が1位であったのに対し、市長部局の情報公開度は全国35中核市の中で「最下位」という不名誉な地位に甘んじてしまった(議会の公開度は1位)。この情報公開度調査は名古屋市に本拠のある「全国市民オンブズマン連絡会議」が実施したもので、調査項目は?市長が交際費を使った相手の情報、?課長級以上の退職者の再就職情報、?予算編成のスケジュールの3項目で、それぞれ公開度に応じてポイントが加算される。
福山市のそれぞれの項目を見ると、?の交際費の支出先の情報では相手の名前などが公開されていないために3点、?の課長級以上の退職者の再就職先は、全く公開されていないために0点、?は5点で、計8点(49満点)、35中核市のうちで最低であった。
この結果に対して、読売新聞の記事によると、市側は「市長交際費は相手の名前の公表に配慮した結果でありで、できる限り公開している」「個人の意志で決めることで、市が再就職にからむことはない」とコメントしているが、果たしてこれで良いのだろうか。特に課長級以上の再就職先を「個人の問題」として、把握もしていないというのはどういうことか。現在、「お役人」の天下りが全国的に問題となっているが、福山市も小なりとはいえ「官僚組織」である。国の官庁のように多くの外郭団体を抱えている。もし、それらの外郭団体が退職職員の天下り先になっているようなら、市民として黙視できない。早急に実態を調査し、公表すべきである。
健全な市政は、「ガラス張りの市政」という言葉があるように、情報公開の徹底が前提だ。先日、ある友人が市に情報開示を求めたところ、ほとんど黒塗りの文書を渡された。その決定通知書によると、「不開示情報の理由」は「公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれ、市民の間に混乱を生じさせる恐れがある」ということだが、「市民の間に混乱を生じ」させるほどの重大な内容なら、余計に知りたくなるのが人情だ。
かつて封建時代の為政者は「民をして、寄らしむべし、知らしむべからず」と言った。私がこの「不開示理由」を読んで、真っ先に思い浮かべたのはこの言葉であった。為政者はとかく自分たちに不都合なことは隠したがる。「民」は何も知らなくてよろしい、政治は我々がやる。だが、その結果はどうだ。道路特定財源の問題では、でたらめな使い道が明らかにされ、国が求める暫定税率は期限切れとなった。社会保険庁の年金の流用は、官庁自身の消滅という結果になった。福山市もそれらの轍を踏まない保証はない。その為には情報公開の徹底だ。市民にとって「隠し事がない市政」ほど、望ましいものはない